青木病院

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確かにそこにいた

先日、集団精神療法第11クールが終了しました。

参加された皆さんは、それぞれの事情(症状や状況など)を抱えながら、目的をもって集まっていました。

抱えている何らかの事情によって、残念ながら最後までご一緒することがかなわなかった方もおりましたが、

そうした方々も、参加によって少しでも自分のコミュニケーションの特徴や人生のこと、考えるきっかけとなり、または気分転換となっていたなら幸いです。

 

そして、縁がありご自身の努力もあって、最後まで参加された方々にとっては、より大きく特別な体験が詰まっていたと想像します。

それだけ他メンバーやグループと「濃い」かかわりになり、別れやグループの喪失の味が、強く濃く感じられるはずです。

ときには、痛みと感じられるほどに。

 

強すぎる別れと喪失の味に、痛みを感じてしまうときには、思い出してほしいです。

「確かに(自分は)そこにいた」

他メンバーから影響を受け、他メンバーに影響を与える存在として、存在したと。

この痛みは、それが幻でなかったことの証拠であると。

そんな風に自分に声をかけてあげてください。

 

私は、甘酸っぱい?ほろ苦い? 味をのどの奥に感じながら、空席となった椅子の輪を眺めます。

 

第11クールの皆さま、お疲れ様でした。

ご縁があれば、またあそこで会いましょう。